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小さな捕食動物の形状変化能力は「折り紙のような」細胞構造に起因する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

微生物界のある小さな捕食動物は、体長の30倍もの長さまで首を伸ばして致命的攻撃を仕掛けるのだが、その鍵となっているのは折り紙状の複雑な細胞構造である。この構造のおかげで、単細胞捕食動物Lacrymaria olorの首のような突出部は素早く極めて長く伸長することが、新しい研究で報告された。この発見は、L. olorの極端な形状変化能力の説明になるのみならず、ソフトマター工学やロボットシステムの設計における革新を鼓舞する可能性もある。単細胞原生生物は、細胞構造の大きな変化といった動的な形態変化を即時に行う能力を持つことでよく知られている。これらの生物は大きなひずみとひずみ速度を体験し、このような妙技を成功させている。そういった原生生物の1つ、L. olorは、首のような突出部を伸ばして離れた位置から獲物を捕える。40ミクロンのこの小さな単細胞生物は繰り返し、この突出部を30秒もかからずに1,200ミクロンまで伸ばし、そして同様の素早さで引っ込めることができる。しかし、L. olorの極端に大きな伸長性を生み出す根本的な仕組みはわかっていない。これらの仕組みを細胞内レベルで観察しようと、Eliott FlaumとManu Prakashは、ライブイメージング、共進点、透過型電子顕微鏡法を組み合わせて使用した。彼らは、L. olorの素早い伸長と収縮が折り紙のような層状の表層細胞骨格と膜構造によって可能になっていることを発見した。彼らの研究結果によると、細胞膜は折り畳まれて15枚の伝染性のひだになり、これがまとまって曲線折り紙構造を形成し、それが順々に開いて首を素早く繰り返し大きく伸長させているという。この複雑な折り畳み構造は、形状変化の際に膜の折り目の速く効率的な開閉を制御する微小管フィラメントのらせん構造を足場としている。関連する動力学についての解明を進めるために、FlaumとPrakashはL. olorの曲線折り紙構造を模倣した紙の力学モデルを開発した。関係するPerspectiveではLeonardo GordilloとEnrique Cerdaが、この発見について更に詳しく論じている。


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