横浜国立大学の坂口大門大学院生 (博士課程後期1年)、五東弘昭准教授の研究グループは、環状ケトン分子の電子状態と求核反応の面選択性の間の関係を解明する機械学習モデルを開発しました。本手法を用いて8種類の反応条件における163個の環状ケトン分子の計323反応の選択性について解析を行ったところ、当該分野の基準となる値を大きく超える予測精度が確認されました。また、反応条件による選択性の違いが、試薬の大きさ及び分子間の立体的な反発 (立体因子) と最低空軌道 (LUMO) の相互作用による反応加速効果の差に起因することが分かりました。環状ケトンのアルコールへの面選択的反応は有機合成化学で汎用される重要な反応であり、天然物や医薬品分子の合成のための指針としての応用が期待できます。
本研究成果は国際科学誌「Journal of Chemical Information and Modeling」に掲載されました。
Journal
Journal of Chemical Information and Modeling
Article Title
Using Three-Dimensional Information to Predict and Interpret the Facial Selectivities of Nucleophilic Additions to Cyclic Ketones
Article Publication Date
9-Apr-2024