News Release

モード同期レーザーを光チップのサイズに縮小

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Quishi Guoらは、通常は大きな卓上型機器を必要とする技術を改善しようと試み、モード同期レーザー(MLL)を、集積ナノフォトニックプラットフォームと組み合わせた光チップのサイズにまで縮小した。幅広い用途に適用できる超高速ナノフォトニックシステムの開発に明るい見通しを示す成果だ。モード同期レーザー(MLL)は、ピコ秒やフェムト秒のオーダーの超高速でコヒーレントな超短光パルスを生成できる。これらのデバイスは、極端非線形光学、2光子顕微鏡、光コンピューティングなどの多くのフォトニクス技術を可能にしてきた。ただし、ほとんどのMLLは高価で、電力消費が大きく、個別の大きな光学部品や機器を必要とする。その結果、超高速フォトニックシステムの使用は概して、研究室における卓上実験に限られていた。また、ナノフォトニックプラットフォームを動作させることを目的としたいわゆる「集積化」MLLは、ピークパワーが小さい、制御性に欠くなどの重大な限界がある。今回Guoらは、半導体光増幅チップと新奇の薄膜ニオブ酸リチウムナノフォトニック回路のハイブリッド集積により、光チップサイズの集積化MLLを作製した。著者らによると、このMLLは、中心波長1065 nmで約4.8ピコ秒の超短光パルスを生成し、そのピークパワーは約0.5ワット ―― ナノフォトニックプラットフォームにおけるあらゆる集積化MLLの中で最大の出力パルスエネルギーおよびピークパワーである。さらにGuoらは、この集積化MLLの繰り返しレートは約200 MHzの範囲にわたり調整可能であること、およびレーザーのコヒーレンス特性を精密に制御できることを示し、完全に安定化されたオンチップナノフォトニック周波数コム光源への道筋を提示している。


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