- ISM3091は経口投与可能な選択性の高い低分子USP1阻害剤で
Insilico Medicine社の人工知能(AI)プラットフォームにより同定され
BRCA変異腫瘍モデルに対する強力な抗腫瘍活性を持つ -
-2023年5月1日、米国I食品医薬品局(FDA)は、Insilico社が提出した
固形がん患者を対象とするISM3091の新薬臨床試験実施申請(IND)を承認-
2023年9月12日-Exelixis社 (Nasdaq: EXEL) とInsilico Medicine社(Insilico社)は本日、BRCA変異腫瘍における合成致死標的として知られるUSP1のベストインクラス低分子阻害剤になりうるISM3091のExelixis社によるグローバル開発・商業化を承諾するグローバル独占ライセンス契約を締結したことを発表した。
本契約に基づき、Insilico社はExelixis社に対して、ISM3091、および、その他のUSP1を標的とする化合物の開発・商業化のグローバル独占ライセンスを付与する。Exelixis社は、2023年の第三四半期にInsilico社に8,000万米ドルの契約金を支払う予定で、さらに、将来の開発、商業化、売上に応じたマイルストーンペイメント、および、純売上高に基づく実施料(ロイヤリティ)をInsilico社に支払うすることが義務付けられている。
Exelixis社の副社長兼薬物発見・変換の最高科学責任者Dana Aftab博士は、「USP1は、BRCA変異腫瘍において広く応用可能な重要な標的で、ISM3091は、それを標的とするベストインクラスの阻害剤として期待されています。ISM3091の前臨床試験では、抗腫瘍活性、忍容性、薬物動態ともに、ほかのUSP1阻害剤競合品をずば抜ける素晴らしい結果を示しました。その結果から、Exelixisの臨床段階における有力な新薬候補になることを確信しています。当社は、今年初夏のFDAによるInsilico社のIND承認に続き、第一相臨床試験への登録を加速させていく予定です」とコメントを述べた。
Insilico Medicine社の創設者兼CEOのAlex Zhavoronkov博士は、次のコメントを述べた。「ISM3091は、Insilico Medicineの低分子創薬用の生成AIプラットフォームChemistry42が実現した3つ目の臨床段階プログラムです。この化合物の構造、抗腫瘍活性と優れた薬物動態特性は、卵巣がん、前立腺がん、乳がんをはじめとするBRCA変異腫瘍に向けた差別化戦略において大きなポテンシャルを示しています。業界ではいくつかの企業にこのプログラムに興味を示してくださいましたが、Exelixis社の持つ技術力、開発・商業化能力の高さに感心し、腫瘍分野での商業・臨床開発の実績を見込んで、Exelixis社がISM3091を前進させる最適な提携パートナーであることを確信しました。ISM3091がExelixis社の腫瘍治療薬の代表であるカボザンチニブに次ぎ、大きく成長していくことを期待しています」。
USP1は、複製フォークを安定化するたんぱく質を含む複数の基質からユビキチンを除去することでDNA損傷修復を促進する。ISM3091は、Insilico Medicine社の広範なマルチパラメータ最適化機能を有する生成AIプラットフォームによって発見された低分子化合物で、USP1の活性を阻害するはたらきをする。ISM3091の前臨床試験において、BRCA変異を有する複数の腫瘍細胞株、in vivoモデル、相同組換え修復(HRR)欠損モデルに対し、単剤、PAPP阻害剤併用のいずれの場合でも強力な効果を示した。また、様々な動物種に対して優れた忍容性を示したともに、安全性も高い。Insilico社は、2023年4月に開催された米国癌学会年次総会のポスタープレゼンテーションにおいて一部のデータを公表した。2023年5月、FDAは固形がん治療用のISM3091の初IND申請を承認した。
Insilico Medicineについて
臨床段階のエンド・ツー・エンドの人工知能(AI)駆動型創薬企業であるInsilico Medicineは、次世代AIシステムを使って生物学、化学、臨床試験分析を結びつけています。 同社は、深層生成モデル、強化学習、トランスフォーマー、その他の最新の機械学習技術を活用したAIプラットフォームを開発し、新規ターゲットを発見し、望ましい特性を持つ新規分子構造を設計しています。 Insilico Medicineは、がん、線維症、免疫、中枢神経系(CNS)、老化関連疾患に対する革新的な薬剤を発見・開発する画期的なソリューションを提供します。 詳細については、www.insilico.comをご覧ください。