News Release

「爆発式」アクチュエータに動力を供給された小型ロボットが自身の22倍の重量を運搬

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

小型燃焼式マイクロアクチュエータが、前進および跳躍できる昆虫サイズのマイクロロボットを推進させた、と新たな研究が示している。「高い周波数、速度、強度のアクチュエータにより、これまではもっと大型のロボットしか達成できなかった移動能力をマイクロロボットが獲得した」と、関連するPerspectiveでRyan Trubyが述べている。昆虫サイズの小型ロボットは、高リスク環境での探査から医療に至るまでのさまざまなニーズを満たす可能性がある。しかし、電池などエネルギー密度の低い動力源で駆動し小さな機械力しか生み出せない既存のマイクロアクチュエータが、マイクロロボットシステムに限界を設けている。これらの難題は、部品の小型化、組立、製造に起因する性能低下によってさらに複雑になる。一般に、エネルギー源とロボットのアクチュエータを小型化するほど、出力とロボットの耐荷重は小さくなる。こうした難題に導かれ、研究者らは小型ロボットに動力を供給する代替戦略を探し求めてきた。リチウムイオン電池の何倍ものエネルギー密度をもちうる化学燃料の燃焼は解決策となる可能性があるが、化学エネルギーを機械力に変換できるアクチュエータの開発は困難であることが示されてきた。今回、Cameron Aubinらは、炭化水素燃料の燃焼によって駆動する、軽量で柔軟なマイクロアクチュエータを提示した。Aubinらの設計は、重量わずか325ミリグラム、3Dプリントした燃焼室、膨張式エラストマー膜、1対の電極、燃料注入用の管を特徴とする。電極の火花が燃焼室のメタンに点火すると、アクチュエータのエラストマー膜が膨張する。これらの燃焼ガスが放出されると、作動した膜が収縮し、サイクルが反転する。結果としてアクチュエータは、140%の変位を達成し、100ヘルツを超える周波数で動作し、9.5ニュートンを上回る力を生み出した。このアクチュエータの能力を実証するために、Aubinらがこれを昆虫サイズの四足ロボットに組み込んだところ、このロボットはさまざまな表面や障害物に直面しても素早く移動できただけでなく、自身の重量の22倍のペイロードを運搬することもできた。


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