News Release 

驚きのカメの記憶力

これまで知られていなかったのカメの記憶力について

Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University

まるで岩が動いているかのように見える大型の陸ガメ。これまで、スピードにおいても知能においても遅れているとレッテルを貼られてきました。しかし、沖縄科学技術大学院大学(OIST)が新たに発表した研究により、これまで私たちは陸ガメの知能をかなり過小評価していたことがわかりました。

「最初に大型の陸カメが発見されたとき、この動物は知性に欠けると考えられていました。というのも、探検家たちは陸ガメを簡単に捕獲することができたからです。彼らは陸ガメを、長旅における貴重な食糧源である新鮮な肉として船に集め、保管していました。」と、本研究の筆頭著者でOISTの物理生物学ユニットの研究員であるタマー・グットニック博士は話します。

しかしグットニック博士は、カメの知性について矛盾する記録があることを指摘します。進化論で有名なダーウィンが、ガラパゴス島のゾウガメが、遠く離れた場所を移動し、その道中に飲食し、睡眠をとり、泥浴することに気づいていました。このような行為を遠距離で行うにはよい記憶力が欠かせません。また、探検家たちの記録の中にも、カメを船の一か所にとどまるように訓練できたという話が残されています。

「私たちはまた、カメが飼い主を認識していることを直に観察し、カメが学習できることを知りました。この研究はカメがいかに賢いかを世界に示すものです。」と、グットニック博士は加えます。

年配のカメに課題を与えてみると・・・

Animal Cognition誌に最近掲載された本研究は、グットニック博士がヘブライ大学の修士課程在籍当時から開始した、ウィーン動物園で飼育されているアルダブラゾウガメについてのおよそ10年に及ぶ研究の集大成です

「カメたちに会った瞬間、恋に落ちてしまったようでした。彼らはみな非常に個性的で、時には生意気なカメがいることもわかりました。」と、グットニック博士はコメントしています。

本研究では、グットニック博士とミヒャエル・クバ博士(元ウィーン動物園勤務、現在はOISTの研究員) が、ウィーン動物園とチューリッヒ動物園のアルダブラゾウカメとガラパゴスガメを訓練し、難易度を上げながら三つの課題を与えました。訓練では、条件付け訓練の一種であるポジティブ強化トレーニングを用い、カメが正しい行動をした時に、好物のニンジンや赤カブ、タンポポなどの報酬を与えました。

カメに対する一つ目の課題として、棒の先にある色のついた球を噛むように訓練しました。カメがその課題を習得した後、二つ目の課題として約1~2メートル離れたところに置かれた色のついた球に向かって進み、それを噛むように訓練しました。三つ目の課題では、それぞれのカメに異なる色を割り当て、与えられた2つの標的から正しい色のボールを選ぶように訓練しました。

3ヵ月後、訓練したカメを再びテストしてみたところ、最初の2つの課題をすぐにクリアしました。三つ目の課題では、正しい色を思い出すことはできませんでしたが、6匹のうち5匹のカメが最初の訓練の時よりも早くどの色のボールを噛むべきかを再学習することができたことから、彼らに若干の記憶が残っていることが判明しました。

研究者たちはまた、9年前に訓練を受けたウィーン動物園の3匹のアルダブラゾウガメを再調査しました。驚くべきことに、3匹のすべてのカメが最初の2つの課題をクリアしました。これは彼らの長寿に見合う、素晴らしいほどの長期記憶能力をカメが持っていることを示します。

誰が教えてくれたの?―別のカメさ!

研究者たちが驚いたのは、カメの長期記憶だけではなく、グループで訓練されたカメは個別に訓練されたカメよりも学習スピードが早くなるということでした。

「これは予想外の結果でした。ゾウガメは特に社会性の強い動物としては知られていませんが、集団にいることで習速度の向上が存在することは間違いありません。」とグットニック博士は説明します。

研究者らは、野生においても大型の陸ガメが他のカメを観察することによって、餌場や飲み場などの重要な情報を得ることができると考えています。

グループで学習することに明らかな利点がない唯一の課題は、3番目の課題でした。研究者は、それぞれのカメに独自の色を割り当てました。そのため、カメは互いに観察してどの球を噛むかについての有用な情報を得ることができない状態でした。

本研究は、アルダブラゾウカメとガラパゴスゾウカメの社会学習について、世界で初めての論文記載となります。このことは、爬虫類の認知能力に関してまだ知られていないことがいかに多いかを浮き彫りにしてくれました。

「大型のカメを研究室で飼うことができないのは課題ですが、この素晴らしい動物を研究することができ、爬虫類の認知能力をさらに探求することができるのは、動物園のおかげです。」と、グットニック博士はコメントしています。

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