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南極の地殻が急速にリバウンドすることで氷床の安定性が増す

American Association for the Advancement of Science

新しい研究によると、アムンゼン海湾(ASE)が予想外の速さでリバウンドしているおかげで、西南極氷床(WAIS)は壊滅的崩壊を起こさずに安定している可能性があるという。これは氷河研究ではめずらしく明るい話題である。WAISの海域部分は、世界中の氷が現行の世界的海面上昇に及ぼしている影響の4分の1を担っており、現在壊滅的な崩壊を起こしやすい状態にある。氷河や氷床が後退や前進をするとき、地球の地殻は変形する。氷の重みがかかると地殻は押し下げられ、氷が後退すると表面はバネのようにリバウンドする。隆起する割合は、その領域の下にある上部マントルの粘性によっておもに決まる。このゆっくりとした過程は氷河性地殻均衡(GIA)と呼ばれ、1万年単位で起こると考えられていた。しかしBarlettaらは今回、実際には、ASEでは観測史上最速(年間41ミリメートル)で氷河性地殻均衡による隆起が進んでいることを明らかにした。著者らがGPSデータを用いてASEの変形率を測定し、その領域の下にあるマントルの粘性をモデル化したところ、粘性は予想よりはるかに低いことが判明した(約4×1018パスカル秒)。この新しいデータから、GIAが起こるのは数千、数万年単位ではなく、数十、数百年単位というはるかに短い規模であることが示唆された。彼らの推定によると、WAISが後退したときにASEが急速に隆起することで、退氷の早い時期に大きな変形が生じるので、強力な気候強制力の下でも氷床の全壊を防いだり、より極端なシナリオに備えて全壊を遅らせたりできるのではないかという。

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