Public Release: 

神経毒性物質の安価で簡単な検出方法を開発

Kumamoto University

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Credit: Professor Toshihiro Ihara

農薬の健康への影響に関する世界的なデータは充分とは言えませんが、農薬の誤用が世界中で多くの怪我や死亡の原因となっている可能性があります。食品や水源の農薬汚染は、特に開発途上国では非常に深刻な問題です。体内に入ったこうした化学物質を安価かつ簡単な方法で検出することが望まれています。

脂溶性の化合物については、比較的簡単に分析する方法が既に確立されています。一方で、水溶性の農薬の場合はやや複雑です。ガスクロマトグラフィー-質量分析法や液体クロマトグラフィー-質量分析法などの機器分析を行うには、抽出や誘導体化などの面倒な前処理が必要なことが多いため、熊本大学、甲南大学、長崎県警は共同研究により、もっと簡便な毒性成分検出法の検討を開始しました。ターゲットにしたのは農薬に使用される天然成分の神経毒、「ネライストキシン」です。ネライストキシンの分析では、通常、高性能な検出器を使用する必要があります。

フェリシアン化物(0.5 mM)マーカーの陰イオン下において、金電極の表面に(Au-S結合を介して)吸着したネライストキシンは、容易に識別可能な電気化学的応答を与えることがわかりました。この電気化学的手法は、非常に低い電解質濃度(塩化カリウム濃度1.0 mM)で行うことが決め手になります。この低塩濃度の条件下では、何も処理しない電極の電流はほぼ0 mAですが、表面にネライストキシン層を有する電極は著しい電気応答を示しました。すなわち、ネライストキシン層が、低い塩化カリウム濃度によって生じる不利な状況を補償したわけです。本研究成果は、シンプルで実用的なセンサーとしてだけでなく、電気化学センサーの物理化学における新しい原理を提供する点でも価値があります。

研究者らは、他のネライストキシン関連の神経毒性農薬(カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ)に対してもこの検出方法が適用できることを確認した後、ヒト血清中の神経毒の検出についても評価しました。 この研究を主導した熊本大学の井原敏博教授は次のようにコメントしています。「私たちははじめ、血清中での検出実験において夾雑物質による電極汚染が影響したと考えられる電流を確認したのですが、水酸化ナトリウムでの電極処理によりこの電流はすぐに消すことができました。幸い、これは、ヒトの血清1 ml当たり1〜25 µgのネライストキシンの検出に必要な唯一の前処理です。この量は、農薬などからネライストキシン中毒を検出するために十分な感度です。従来の検出方法はもっと複雑で時間がかかり、また、より作り込んだ素材を使用しなければいけません。私たちの開発した技術が、安価で簡単な検出方法のブレイクスルーとなることを願っています。」

本研究成果はAmerican Chemical Societyの科学雑誌「Analytical Chemistry」に掲載されました。

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[Reference]

Shimada, H.; Noguchi, S.; Yamamoto, M.; Nishiyama, K.; Kitamura, Y. & Ihara, T., Electrochemical Sensing of Neurotoxic Agents Based on Their Electron Transfer Promotion Effect on an Au Electrode, Analytical Chemistry, American Chemical Society (ACS), 2017, 89, 5742-5747. DOI: 10.1021/acs.analchem.6b04229

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