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100年前に台湾で報告されるも既知種とされていた植物を日本で再発見

― 別種であることを証明し、和名「リュウキュウサネカズラ」と命名 ―

Kobe University

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IMAGE: サネカズラの雄花の雄しべの集合体は常に赤色であるが、リュウキュウサネカズラでは黄色のことが多い(稀に赤色も見られる)。 view more 

Credit: MORI Sayoko, TOMA Tsugutaka

神戸大学大学院理学研究科の末次健司特命講師、台湾林業試験所植物標本館のTian-Chuan Hsu氏、在野の植物研究家である当真嗣尊氏、岐阜大学教育学部の三宅崇准教授、香港大学のRichard Saunders教授は、琉球列島において、これまで認識されていなかった木本植物「リュウキュウサネカズラ」の存在を明らかにしました。

この植物は、1917年に台湾で発見されていましたが、当時の報告が不正確であったため、これまでは既知種の「サネカズラ」と同種と考えられていました。今回、およそ100年ぶりに発見された個体を含め検討することで、この植物がサネカズラとは別種であることを明らかにしました。

本研究成果は、6月30日に、国際誌「Phytotaxa」にオンライン掲載されました。

研究の内容

サネカズラ属は、マツブサ科の常緑つる性木本で、世界では16種知られており、日本からはサネカズラ1種のみが報告されていました。サネカズラ Kadsura japonicaは、別名、ビナンカズラと呼ばれます。これは昔、つるから粘液をとって整髪料に使ったことに由来します。在野の植物研究家である当真嗣尊氏は、沖縄県以外で見られるサネカズラの雄しべの集合体が常に赤色であるのに対して、沖縄本島の「サネカズラ」では黄色であることが多いことから、沖縄産は「サネカズラ」ではない可能性に気が付きました (図1)。

当真氏からこの知らせを受けた末次健司特命講師は、台湾林業試験所植物標本館のTian-Chuan Hsu氏、岐阜大学教育学部の三宅崇准教授、香港大学のRichard Saunders教授とともに、沖縄本島を初めとする琉球列島や台湾の標本を精査しました。その結果、「サネカズラ」と思われていた植物のなかには、雄花の花形態で明瞭に区別できる個体が含まれることを発見しました。具体的には、サネカズラでは、隣り合う雄しべの葯が接するのに対して、沖縄本島を初めとする琉球列島や台湾の標本には、隣り合う雄しべの葯が接しない個体が含まれていました。

さらに調査を進めると、隣り合う雄しべの葯が接しない特徴を持つ植物は、台湾で既に1917年に発見され、「Kadsura matsudae」という名前で報告されていることがわかりました。しかし、Kadsura matsudaeは、記載文(その植物の特徴を記した文章)が短く不正確で、この雄しべの特徴についても言及していなかったことから、その実態が不明とされ、暫定的にサネカズラと同種として扱われていました。そこで今回、台湾から約100年前に採取された標本や新たに発見された標本を用い、分子系統解析も含めた詳細な検討を行いました。その結果、この植物が実際にサネカズラとは全く異なる植物であることを明らかにしました。またこれまで日本からは報告されていない種であることから、今回新たに「リュウキュウサネカズラ」という和名を命名しました。

発見の意義

植物相に関する調査研究が比較的進んでいる日本においては、これまで発見されていなかった植物が見つかることは、1年で数えるほどしかありません。特に木本の植物の発見は、非常に珍しいことです。やんばるの森は、昨年「やんばる国立公園」に指定されたばかりですが、「ヤンバルヤツシロラン」「ツツザキヤツシロラン」、そして今回の「リュウキュウサネカズラ」と被子植物に関する新発見が相次いでいます。これらの発見は、やんばるの森の重要性を改めて示すものです。

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